【Blender 5.2】ピボットポイントとは?3Dカーソル・原点を使った回転と拡大縮小を解説

Blenderを挫折しない教えを考えたAI-NO16

Blenderでオブジェクトを回転させたり拡大・縮小したりする際、「なぜか意図しない場所を中心に回ってしまう」「複数のオブジェクトを個別に拡大したいのにまとまって大きくなってしまう」と困ったことはありませんか?

この原因の多くは「ピボットポイント(変形の基準点)」の設定にあります。

ピボットポイントの仕組みを理解すると、ドアの蝶番(ちょうつがい)を中心とした開閉動作や、散らばったパーツの個別拡大など、複雑な操作を思い通りにコントロールできるようになります。

この記事では、Blender 5.2 LTSの最新仕様に合わせ、ピボットポイントの基本概念から「原点」「3Dカーソル」との違い、5種類のピボットモードの使い分けまで分かりやすく解説します。

1. ピボットポイント(Pivot Point)とは?

ピボットポイントとは、一言で言うと「回転や拡大・縮小(トランスフォーム)を行う際の中心点」のことです。

【基本原則】

・回転(R) ➔ ピボットポイントを中心にクルッと回る
・拡大・縮小(S) ➔ ピボットポイントに向かって小さくなり、遠ざかって大きくなる

例えば、1つの立方体を回転させると通常はその中心を軸に回りますが、ピボットポイントをオブジェクトの外側に移動させれば、太陽の周りを回る惑星のように離れた場所を軸にして旋回させることができます。

2. 絶対に混同しない!「原点」「3Dカーソル」「ピボット」の違い

ピボットポイントを扱ううえで初心者が最もつまずきやすいのが、画面上に現れる様々な「中心」の存在です。それぞれの役割を一度整理しておきましょう。

・原点(Origin) ➔ オブジェクト自体が持つ「固有の基準位置」

・3Dカーソル ➔ 画面上に自由に置ける「仮の基準マーク」

・ピボットポイント ➔ 今から行う「操作の中心点(モード)

① 原点(Origin)とは?

オブジェクトを選択した際に表示されるオレンジ色の小さな点です。

オブジェクトごとに必ず1つ存在し、その物体固有の「位置情報(0,0,0)」の基準となります。モデリングを進めてメッシュを移動させても、原点は元の位置に残ることがあります。

② 3Dカーソル(3D Cursor)とは?

画面上に浮いている赤と白の破線リングです。

「次に配置するオブジェクトの出現場所」や「仮の回転軸」として、3D空間上の好きな場所へ自由に移動できる目印です。

③ ピボットポイントとは?

上記の「原点」や「3Dカーソル」など、「今回の回転・拡大縮小ではどれを軸として使うか?」というルール(設定)そのものを指します。

3. Blender 5.2で使える5つのピボットポイント

Blender 5.2 LTSでは、目的に応じて選べる5種類のピボットポイントが用意されています。

ピボットポイント名どこを中心にして動く?主な使いどころ
① バウンディングボックスの中心選択物をすっぽり囲む「見えない箱」の中心複数オブジェクトの全体枠を基準に移動・回転したい時
② 3Dカーソル現在3Dカーソルが置かれている位置ドアのヒンジ(軸)や特定の地点を中心に回したい時
③ それぞれの原点選択した各オブジェクト自身の原点複数のパーツを、配置を保ったまま個別で拡大・回転したい時
④ 中点(Median Point)選択したすべての要素の「平均位置(重心)」【基本設定】複数選択したものを1つのまとまりとして動かしたい時
⑤ アクティブ要素最後に選択した(黄色の枠線の)オブジェクト特定の1つのパーツを軸にして、他のパーツを連動させたい時

各ピボットモードの詳細解説

① バウンディングボックスの中心(Bounding Box Center)

選択したオブジェクト(または頂点群)全体を最小限の直方体で囲んだ時の「幾何学的な中心」を基準にします。後述の「中点」と似ていますが、形状の偏りに左右されず見た目の外枠の中心を取りたい時に使われます。

② 3Dカーソル(3D Cursor)

3Dカーソルが置かれている座標を軸にします。

例えば、「部屋の隅に3Dカーソルを置く ➔ ピボットを3Dカーソルにする ➔ 部屋全体を回転する」 といった操作を行う際、非常に強力な威力を発揮します。

③ それぞれの原点(Individual Origins)

初心者が最も恩恵を感じやすい設定です。

例えば、複数のビルモデルを一括選択して拡大(S)した際、「中点」のままだとビル同士の距離まで広がり散らばってしまいますが、「それぞれの原点」にすると各ビルの位置はそのままで、それぞれの建物だけがその場で大きくなります。

④ 中点(Median Point)

Blenderのデフォルト(初期状態)設定です。

選択されたすべてのオブジェクトや頂点群の「平均的な座標」を中心として扱います。迷ったらまずこの「中点」にしておけば間違いありません。

⑤ アクティブ要素(Active Element)

複数選択した際、最後にクリックしたオブジェクト(アウトライナーや画面上で明るいオレンジ/黄色でハイライトされる要素)の原点を軸にします。

4. ピボットポイントの変更方法とショートカット

ピボットポイントの切り替えは、画面上部からの選択またはパイメニュー(パイ状のショートカットメニュー)で行います。

切り替え手順

  1. 3Dビューポート上部ヘッダーにある 「トランスフォームピボットポイント」アイコン をクリックします。
  2. 表示されるリストから目的のモードを選択します。

覚えておくと爆速になるショートカット

キーボードの .(ピリオドキー) を押すと、マウスポインターの周囲にピボットポイントのパイメニューがポップアップ表示されます。

操作ショートカットキー
ピボットポイント切り替えメニュー.(ピリオド) ※テンキーではなく文字入力側の「.」
3DカーソルのスナップメニューShift + S
3Dカーソルをワールド原点に戻す(視点リセット)Shift + C

💡 トラブル解消テクニック:Shift + C

「3Dカーソルがあちこちに飛んでどこかへ行ってしまった!」という場合は、Shift + C を押してください。3Dカーソルが世界の中央(ワールド原点 0,0,0)に戻り、画角も全体が収まる位置に自動調整されます。

5. 【実践ハンズオン】ピボットポイントの違いを体感しよう

実際の動作を確認するために、以下の手順で簡単なテストを行ってみましょう。

【ハンズオンの流れ】

STEP 1:  立方体を2つ配置する
STEP 2:  2つの立方体を同時に選択する
STEP 3: 「中点」と「それぞれの原点」で回転(R)の動きを比較する
STEP 4: 「3Dカーソル」を中心に回してみる

  1. Shift + A ➔ 「メッシュ」➔「立方体」 を作成し、G キーで少し横にずらします。
  2. 再度 Shift + A で2つ目の立方体を作成し、離して配置します。
  3. Shift を押しながらクリック して、2つの立方体を同時に選択します。
  4. .(ピリオド) を押し、「中点」 を選択して R(回転) を動かしてみます。
    ➔ 2つの立方体がペアになって中間地点を中心に回ります。
  5. 再度 .(ピリオド) を押し、「それぞれの原点」 に変更して R を動かしてみます。
    ➔ 2つの立方体がその場でくるくる回転します。

6. 実践テクニック:ドアの開閉(3Dカーソル活用法)

ピボットポイントの代表的な活用例として「ドアの開閉」があります。

  1. ドアオブジェクトの編集モード(Tab)に入り、蝶番(回転軸)にしたい端の辺または頂点を選択します。
  2. Shift + S ➔ 「カーソル ➔ 選択物」 を実行し、3Dカーソルを端に移動させます。
  3. オブジェクトモードに戻り、.(ピリオド)キー ➔ 「3Dカーソル」 にピボットを変更します。
  4. R キー(Z軸回転なら R ➔ Z を押すと、見事に端を軸にしたリアルなドアの開閉ができます。

7. まとめ&ショートカット一覧

ピボットポイントは、Blenderで狙い通りの変形を行うための極めて重要な設定です。

操作・機能ショートカット役割・用途
ピボットメニュー呼び出し.(ピリオド)5つのモードを素早く切り替える
カーソルスナップShift + S3Dカーソルを選択位置へ正確に飛ばす
カーソル初期化Shift + C3Dカーソルを中央(0,0,0)にリセット
基本の回転・拡大縮小R / Sピボットポイントを中心に変形を実行

覚えておくべき3つの黄金ルール

  1. 「思った場所を中心に回転しない」時は、ピボットポイントを疑う!
  2. 個別に大きさを変えたい時は「それぞれの原点」!
  3. 特定の軸を中心に回したい時は「3Dカーソル」を活用する!

まずは一番使う 「中点」「それぞれの原点」「3Dカーソル」 の3つの違いから順番にマスターしていきましょう!

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